日本ヴァイオリン界の父 鷲見三郎

ディーノ・チャー二国際音楽祭(2)


金曜日, 8月 19th, 2011

イタリアの鷲見恵理子さんからのメッセージ・パート2です。

 

7月30日夜アンドレア・シフ氏のコンサートを日本からの生徒さんたちと共に聴きに行きました。

この日のプログラムはシューベルトのソナタ ト 長調 D894 と ベートーヴェン アントン ディアベリワルツ33のヴァリエーションでした。

近年話題のイタリアのピアノの名器ファッオーリでの演奏ということで開演前から楽しみでした。プログラムを見たところ2曲しか書いていなかったので特に後半のベートーヴェンは一曲が長いのだろうと直ぐに思いましたが、実際50分しかも休み無く弾き続けるという超大曲でした。

この曲のタイトルのティアベリの意味はベートーヴェンを含む当時の多くの作曲家の作品を世に送り出していた出版会社の人物で1819年に自らのアイディアで彼自身の書いた曲のテーマのメロディを50名の作曲家によってメドレーのようにヴァリエーションを創作する(その中にはシューベルトや十代のリストも含まれていた)企画がありました。当然ベートーヴェンにもお声が掛かりましたが当初全く企画に興味を示しませんでしたが、突然全部のヴァリエーションを彼が作曲するという事で創作し始めました。もっともテーマ自体ベートーヴェンが気に入るまで作り変えたのでティアベリ自身のテーマは影を潜めたようですが。

1823年に完成されたこの曲はフーガやモーッアルトのドンジョヴァンニからのメロディや、特に32番目のヴァリエーションで完結していてもいいはずの曲でしたが、あえて33番目に渡す部分がバッハのゴールドべルグヴァリエーションを意識したそうです。

この長丁場のコンサートで演奏されているシフ氏のお姿は神懸りというか、神の域の演奏というほか言葉が見つかりません。音のまろやかさと美しさ研ぎ澄まされたというより無駄な念が一切無くしかしながら温かな優美な演奏に会場も包まれていました。

ちなみに今日でシフ氏がコンサートでこの曲を発表した事は史上で2番目の演奏者という事です。

そしてアンコールはバッハのゴールドベルグからのもっとも有名な旋律でした。

本当に素敵なララバイ(子守唄でした)。

この日シューベルト、ベートーヴェン、又バッハの名曲をお聞きできた事に感謝します。

お写真は終演後パーティーにてアンドラス・シフ氏とジェフリー・スワン氏と一緒に撮影。

二人の偉大なマエストロと共にお写真を撮って頂くことが出来幸せでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンサートの後は夜になりひんやりとしたコルティーナの街を歩きながら終演後の会場となるパーティ会場に移動。

この日は今回私と母がお世話になっている17世紀の貴族の館を保有されているイタリア人マダムのところで開かれました。そこにはチャーニご一家、スワン氏そしてコンサートを終わられたばかりのシフ氏もいらしていて皆さんでの食事となりました。

二部屋に分かれておりましたがそれぞれの部屋にて今夜のコンサートについて皆さん興奮しながらお話されていました。 特に普段コンサートではほとんど聴く事の無いディアベリヴァリエーションを聴いたばかりなのですから。

会場の部屋もシューベルトの音楽が似合いそうな又昔ながらの大きな暖炉(青い青銅で出来ていて骨董価値が高い)や大きな天秤も置いてあったり300年経つピアノが置いてあったりと美しいながらも落ち着く事の出来る部屋でした。

シフ氏とはパーティの初めと終わりにお話する事が出来ました。

日本人の私を見かけらシフ氏は‘私の家内も日本人です。(ヴァイオリニストの塩川悠子氏)

しかし家内があまりにも流暢にヨーロッパの言葉で会話してくれるがために自分は日本語を学ぶ必要と機会がありませんでしたとおっしゃっていました。

この会話を聴いていらした有る紳士が「僕の知っている日本語はとても淑女の前では言えるものではありません」

と言うと、シフ氏がすかさず「オー それはダメですね~イケマセン」と日本語でツッコミをいれていらしたのが印象的でした。

演奏中の神がかったお姿、勿論そこにいらっしゃるだけでオーラに満ちていらっしゃるのだが、

こんな冗談をおっしゃる面があるのかと嬉しくなりました。

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